インタビューvol.19ラファエル・ジャムゴチアンさん「クレイジーなアイデアを最高のアイデアに」


プロジェクトアドベンチャージャパンは、「Xtrem Aventuresグループ」と合弁で「Xtrem Aventures Japan(エクストリームアベンチャーズジャパン)」を設立しました。17年以上に渡り、世界各国でアドベンチャー施設を設計、施工しているXtrem Aventuresグループ代表のラファエル・ジャムゴチアン(Raphaël JAMGOTCHIAN)さんにアドベンチャーについて伺いました。

エクストリームスポーツが大好き

ーー「Xtrem Aventures(XA)」を立ち上げた経緯は?

17年前、パリで初めてのコースを立ち上げました。そのときにパリやパリ郊外の人がやって来て、これはすごくいいから自分たちのためにもつくってくれと頼まれてアドベンチャーパークをつくり始めたのがきっかけです。

ーーなぜアドベンチャー施設が好きなんですか?

自然を愛しているからです。私は自然の中でするスポーツが大好きです。自然の中にいて、鳥やリスなどの動物もいる中で過ごすことが好きなんです。だからアドベンチャー施設をつくることは自分にとって向いていると思っています。世界中の国々のさまざまな文化の中で、新しいデザインのアドベンチャー施設をつくっています。

ーーどんなアウトドアスポーツをしてきましたか?

スキューバダイビングを14歳で始めました。17歳からは、深い海に酸素無しで潜っていくフリーダイビング、19歳からはパラグライディングを始め、アクロバティック競技にも出ていました。

その他にカイト・サーフィンもしています。エクストリーム(極端な、ハードな)スポーツが好きですね。だから社名も「Xtrem Aventures」としました。

ーーなぜエクストリーム・スポーツを始めたのですか?海か山の近くで育ったからですか?

私はいつも自然の近くで過ごしていました。やってきたスポーツは自然の中でやるものばかりです。サーフィンでは波、カイト・サーフィンでは風、パラグライディングでは山を使っていました。全てのアクティビティが自然と近しいところにあったんです。私の仕事はいつも自然と一緒にあります。

ーーどんな子ども時代だったのですか?なぜそんな風に自然やアウトドア・アクティビティを好きになったのですか?

生まれつき持っていたものだと思います。いろいろなものにトライする質(たち)ですね。私は7歳の頃にすでに水泳の競技会に出て、14歳の頃は週3回泳いでいました。木に登って果物を取ったり、山を走ったり、川に飛び込んだりしていました。ちょっとクレイジーな少年だったんですね(笑)

ーーフランスの田舎で育ったのですか?

最初はパリに住んでいました。でも週末や休暇には、海に行ったり、山に行ったりして、いつもアウトドア・アクティビティを楽しんでいました。でもパリはアウトドアをするのには向いていないので、山の近くに引っ越しました。

私はさまざまなスポーツのインストラクターもしています。ATV(4輪バギー)のインストラクターやライフガードもしています。エクストリーム・スポーツをしていても、私は常に自分がしていることがクレイジーになり過ぎないように、気をつけています。私はどんなにエクストリーム・スポーツをしていても、2年前の怪我を除いて、一度も怪我をしたことがないんです。だから大きな事故を起こしていません。安全を大切にしています。

ものづくりの原点

ーーアドベンチャーアクティビティを楽しむことと、アドベンチャー施設をつくることにはかなりの違いがあると思います。なぜアドベンチャー施設をつくることに興味を持ったのですか?

まずは自然です。私の会社のコンセプトは自然に近づくこと。次に、ものをつくることです。私は自分で何でもやります。必要なものは自分でつくるので、自分の家もつくりました。子どものときはいつも木をおもちゃにして遊んでいました。

ーー子どものときは何をつくっていたのですか?

いろいろなものをつくっていましたよ。10歳のときには小さなシャレー(山荘)をつくったり、自分のためにたくさんのものをつくりました。

家を買ったときは、60平方メートル分を自分で増築しました。私が若い頃、父が建て方を教えてくれたんです。彼は手先が器用で、いつもものづくりを楽しんでいました。父が私にものづくり教えてくれたのはラッキーでした。私自身もさまざまな技術を学びたかったし、色々と覚えました。

子どもの頃にものづくりを学んだことは、いま、新しいアクティビティを生み出すことにつながっています。あそこで学んだことが40年経ってここにあります。

ーーどうしてそんな風な人になったのですか?

それはもともとそういう人なんだと思います。私はこういう私なんです。オープンな性格で、さまざまなことを楽しみ、常に好奇心を持ち、文化や人に興味を持ち、新しいおもちゃを見たらいろいろ試したくなる。私は子どものままなんです。15歳のまま(笑)

新しいものを創造し、人々が楽しめるものをつくるには、「子どもで居続けること」が大切です。それが私の性格そのものです。私は「ビッグスモールマン(大きな子ども)」です(笑)

ーー最近の一番の興味、関心はなんですか?

いろいろなことに興味があります。私は仕事も世界中の人に会うことも楽しんでいます。さまざまな国や文化、人に興味があります。常に新しいアドベンチャーがあります。私にもうひとつの名前をつけるとしたらそれは「アドベンチャー」ですね。

いろいろやりきって、もうこれ以上することがなくなっても、私はこの仕事を辞めないと思います。いつも今以上のことを、もっともっとやろうとしています。明日もまた新しいことをします。昨日も今日も明日も続けていくのです。

世界に広がるアドベンチャーパーク

ーー日本では「アドベンチャー」はそんなに一般的ではありません。もしラファエルさんが日本の人にアドベンチャーとは何かを説明するとしたらどんな風に説明しますか?

アドベンチャーパークは25年くらい前にヨーロッパにやって来ました。ヨーロッパの人たちはアドベンチャーパークを仲間や家族と楽しみました。当時、人工物が多い中で、自然での活動へと回帰し、楽しんだのです。それは子どもにとって、家族にとって、学校にとってよいもので、ヨーロッパで大きな成功を収めました。フランスでは、多くの人がアドベンチャーパークに殺到し、コースが乱立しました。

私たちは7-8年前から中国でアドベンチャーパークを施工しています。中国での施工は当初、何が起こるかわからなくて怖かったし、どうなるかわからないものでした。中国の人はあまりスポーツ好きではなかったんです。でも最終的に中国の人たちはアドベンチャーパークを好きになってくれました。スポーツが苦手でも、自然の中で遊ぶ、木に登ることができるので、楽しんでくれています。

いろいろな人が楽しめるようにさまざまな種類のアクティビティを用意したり、難易度をつけています。子どもから高齢者まで、自分のレベルで体験し、楽しむことができます。

ーーなぜ日本にも施設を導入したいと思ったのですか?

広げていきたいと思ったからです。10年前から徐々に進めていました。パートナーを探したりしながら、徐々に世界中に支社を設立しました。日本では今年、長野県白馬・栂池に初めてのXAアドベンチャーコースをつくりました。これからももっと日本で展開したいと思い、PAJとパートナーシップをとりました。

ーーどんな未来を描いていますか?これからの人生でどんなことをしたいですか?

インドネシアのバリ島でサーフィンがしたいです(笑)。私は自分の人生を楽しんでいますが、働きすぎですね。現在、12の会社を経営していて、膨大な仕事があります。世界中にいる社員やパートナーへ対応していかなければなりません。

いま、息子が会社に入って来て仕事を教えています。徐々に息子に仕事を移行しています。そうすれば私にもう少し時間ができるので、もっと人生を楽しめると思います。いま48歳で、6年以内に息子に仕事を全て教え、会社を任せたいと思っています。

ーーバリ島では何をしたいですか?

バリ島は素晴らしい場所です。サーフィン、カイト・サーフィン、スキューバダイビング、パラグライディングなどさまざまなアクティビティが楽しめます。いずれヴィラを買い、バリ島に通いたいです。フランスにも素敵な場所を持っているので、行ったり来たりしたいですが、バリ島に休暇で行っても、面白そうなことが見つかって、仕事もしてしまいそうです(笑)。よいことが起こりそうな場所を見つけたら、やらないわけにはいかないでしょう? 東京でもやりたいことはたくさんあります。渋谷の道路の上に大きなネットを張って、空からの眺めをを楽しんだりしたいですね!

馬鹿げたように見える、クレイジーなアイデアをいっぱい持っています。一見、馬鹿げたように見えることがよいアイデアであることがあり、大きな成功につながることがあります。イマジネーションも大切ですね。そして、「できるかも」と思うことも大切です。

リスクを取る

ーー今までで一番「クレイジーな(馬鹿げている)アイデア」は何でしたか?

常に「クレイジーなこと」を考えています。最初にやろうとするときは常に、馬鹿げている感じに見えます。何かを始めるときは常に不確かな感じがするものです。

ーー不確かで見えない状況に置かれたとき、どんな感じがしますか?

不確かなことで不安になることはないですね。どんなにロケーションが素晴らしくて面白そうでも、何が起こるかは誰にも分からないんです。

中国でビジネスを始めようとした当初、「馬鹿げている」「中国でビジネスを始めるのは大変だよ」と言う人がいました。中国でのプロジェクトは、最初は馬鹿げた、クレイジーなアイデアだったかもしれないけれど、最終的には素晴らしいアイデアに変わったんです。実際にいま、中国にも支社があります。

「クレイジーなアイデア」はときに「最高のアイデア」になるんです。人生の中でリスクを取ることを大事にしています。不確かだからといって、リスクを取らない人生ならば、その先に何も得られるものはありません。私は常にリスクを取ってきました。ときには大きなリスクも取ってきました。もしどこかに行きたいのなら、リスクを取らなくてはなりません。

私は常に「OK、レッツゴー!」タイプです。自分の内側で何かを感じたら、すぐに前に進みます。それで結果的にうまくいっています。

ーー怖くないですか?

最初は怖いです。でもリスクを取るのはよいことです。最終的にはよいビジネスになり、リターンがあります。ときにはそのリターンが少ないこともあるけれど、たいていはよいリターンがあります。常によい経験ですね。どんな経験でも常に未来につながっています。それが大きな結果にならず、収入も想定よりも低かったとしても、「体験」は常によい経験となります。

(インタビュー:茶木知孝、寺中有希2018年12月6日)

XTREM AVENTURES GROUP(エクストリームアベンチャーズグループ)

エクストリームアベンチャーズグループは17年以上にわたりアドベンチャーパークやレジャーパークを設計、建設しています。

フランスを始めとするヨーロッパ、米国、アジア、中東、アフリカなどのあらゆる国でアドベンチャーパークの開発と設計を行っており、156以上のレジャーパークを建設しています。

エクストリーム・アベンチャーズでは、豊かなレジャー体験をもたらす独創的で革新的なアクティビティを創り出しています。